「Eメール(私信)の調査」は行われず
内容平山たかし議員(共)要求の「Eメール(私信)の調査」は行われず
03年8月26日ノンフィクションライター
ふくおひろし
1986年「第二回ノンフィクション朝日 ジャーナル大賞」受賞
『たった一人の革命』 (朝日新聞社)
『ザ・地方議会』(三一書房〉ほか著書・共著多数
東京都大田区在住
憲法上の疑義で賛成者なく協議打ち切り
勇気の発言取り消しと悪あがき
鹿児島市議会の三反園輝男議員が六月以来、 議会運営委員会で小川みさ子議員の質問の内容を批判的に取り上げできた問題で、発言の全部を八月四日の会議で取り消して陳謝した。
公式発言を取り消して陳謝するのは勇気と決断がいるもの。
勘違いがあったようだが、誤りを認めて取り消した行為は評価に値する。
何ともいただけないのは共産党の平山たかし議員で、小川みさ子議員に対する同氏の人権侵害発言はいまだに取り消されず、議事録には「小川議員のEメールを議運の責任で調査せよ」などと、残っている。
平山氏のこの発言で多くの市民と全国の市民派の人々のひんしゅくを買っていたが、八月四日の会議でも同趣旨の発言を操り返して恥の上塗りをしたのである。
たとえ議会内のやりとりでも、何かに事実誤認の記述があるのなら、訂正を申し入れるか、ぞれが受け入れられなければ訴訟しかないのに、議会運営委員会の責任で私信の調査をしろ!と要求する非常識ぶりである。
八月四日の会議で平山氏の調査要求に積極的な同調者が出なかったのは当然で、鹿児島市議会だけでなく、地方議会総体の名誉を考えた場合のわずかな救いである。
平山氏は小川議員の憲法と地方自治法の解釈面から理論構成した反論に遭い、「わたしはEメールの中身を聞いていない」と、一転してそれまでの主張を否定した。
誤りに気づいたのなら「取り消して陳謝」をすべき。
このあと、小川議員からEメールを議題とすることに抗議の申し入れ文書を受け取っていた長田徳太郎議員が、「・・・・憲法論議を含めた議論がてくると、当然論議が噛み合わないのではないかと思う・・・・」と平山、小川の両氏に一定の配慮をする形で会議を終結の方向に誘導した。
これはさすがに議長としての見識である。
議会事務局長も「平山氏の要求は議運で扱うには憲法上の問題がある」と助言していたのかもしれない。
政治的配慮の決着で協議終結宣告
日高委員長も事前に正副議長や事務局長と 打ち合わせて同じ認識を持っていたのか、平山議員の立場に”政治的配慮”をしたのか、「他に本件(Eメール)について(意見は)ないか」と会議にはかり、「なし」の声だけなのを確認し、「それでは、本件については、協議を終わらせていただく」と宣告した。
この間、平山議員の要求をどのように扱うかの確認もなく、積極的な賛成者がいないのを見届けて一応のケリをつけたのである。
もともと憲法上の問題点があったのだから当然の結論だったが、正副議長と議運委員長は上手なシナリオを書いたものである。
協議打ち切りのシナリオとテクニック 公式会議の原則的な確認の方法は、「本件については、協議を終わらせたいと思います。これにご異論ございませんか?」 とはかり異議の意思表示がないとき、あ るいは「異議なし」の声だけの場合には「ご異議なしと認めます。よって、本件の協議は終結することと決定いたしました」となり、 「これにて協議を終結いたします」と、手の込んだ次第書が用意されているものだが、雰囲気から委員長の一方的な宣告で終わらせたのはシナリオ通りの政治的な判断だったのか?
結局、平山議員も含めて「一人の異議もなく」Eメールの件は協議が打ち切られたのだから、この問題が議会運営委員会で蒸し返されることは常識的にはありえない。
政治の世界ではこのように、がっちりと確認せずに、腹芸でケリをつけることはままあることで、よくも悪くも「政治的な決着」ともいうし、「玉虫色の解決」「あいまいな合意」「うやむやな決着」「灰色決着」と表現方法はいろいろあるが、客観的に見てどの表現も間違いではない。
一方の当事者の小川みさ子議員の認識もそのようで、自身のホームページの掲示板に 「九電議員は陳謝して発言取り消し! Eメール発言内容の件はうやむや?」の表題で書き込み、他の人の激励に応える書き込みの中で 針のむしろにいたような心境を吐露し、同時に”実質勝利”と表現している。
三反園議員の発言は取り消されて決着し、平山議員の要求はうやむやのうちに」しりぞけられて一件落着したのだから、いずれも小川議員は真実を書いただけで誰にも迷惑をかけではいない。
しかも主張が通ったのだから”実質勝利”と考えるのは当たり前である。
ところが、自民党と民主党の一部議員が小川氏のHPの掲示板の過去ログまでプリントアウトして、分厚い資料に付せん紙を張り、 額を寄せてチェックしているという。
まるでマンガの世界である。
その熱意を市民のために使えないものか。
改めて「市会議員なら言論、出版、表現の自由を尊重し、まじめに仕事をしろ」と警告したくなる。
憲法を制約する決議は違法だ水面下では今、議員のホームベージの作成 について何らかの決議を・・・・との動きもあるようである。
だが、議員のものであっても、 言論・表現に何らかの枠をはめたりすれば、 それこそ憲法違反の決議として全国の笑いものになるのは必至。
総務省の見解では「そんな決議は全国で聞いたことがない」である。
見識の高い長田議長と議会事務局長は議会の名誉のために、各会派に必要な助言はするだろう。
平山たかし議員には市の内外から抗議や批判(激励も?)が殺到していると推察する。
それがあるからか? 正副議長や正副議運委員長に「自分の名誉はどこで晴らせばいいのか」とわめき散らしているとの話がある。
それが事実なら、名誉を回復する方法はただ一つ、人権侵害の事実を率直に認めて発言言を撤回し、陳謝することである。
現に三反園氏は発言を取り消して評価されている。
「(争うのなら)民事訴訟しかないでしょう」と忠告した、議会事務局長に八つ当たりして いるとも聞くが、公務員には憲法遵守義務があるのだから、議会の幹部職員として正しい方法を教えたのは仕事に忠実な証である。
その人物に八つ当たりすること自体、非常識。 議会を正常化の方向に導こうとする議会事務局を権力で押さえつけるようなことを共産党議員がやるなんて・・・・・。
恥ずかしながらの自己紹介
わたしは99年まで東京・武蔵村山市で七期、議員を務め、一人会派ながら徹底した調査と追及で「デスマッチ議員」と恐れられていた。
不正・腐敗を暴いた実績と、市長・助役四人を引責辞在に追い込んだ理詰めの迫及の迫力では全国に並ぶものなしとの自負がある。
その原動力となったのは三回の実力行使で獲得した、完璧なまでに保証される発言権と、徹底した情報公開の制度である。
その戦いと は、
◎ 議会運営委員会で突然、一般質問の制限が行われたとき、実力でその採決を粉砕した戦い。
◎ 本会議で質疑打ち切り動議を出されたことにただちに抗議して本会議をとめた実力行使の戦い。
◎ 決算特別委員会で米軍横田基地関係の資料の提出を拒否され、委員長席を占拠し て戦い、委員会を粉砕した戦い。
いずれも最初は一人の戦いだったが、最終的に完勝し、その成果は全国有数の「開かれたた議会」として今に引き継がれ、「原則公開」 と「知る権利」を保障し「何人にも」公開され、もちろん意思形成過程の文書も対象にな る公文書公開条例となっている。
今、改めてこれを書く理由は、この三回の実力行使の混乱の中で、わたしを支える立場を鮮明にしたのは、共産党と公明党だったということをいいたいからである。
彼らの支持がなければ、体を張った緊迫の局面で多分、 議席を剥奪されただろう。
わたしは、閉鎖社会を切り裂き、議会政革を共にした彼ら二政党に対する信義があるがゆえに、個人批判はするが政党そのものの批判は差し控えている。
これは政治信条である。
それだけに、もっとも深い各種の共闘関係にあった政党にダメージを与えたくないとの思いから、平山氏の身の処し方を注視している。
人間は誰しも、間違いや錯覚があるものだ が、後の処置で評価が定まるものである。
人権侵害に遭った小川みさ子氏の名誉がこのまま回復されないのでは、わたしが全国の市民派の思いを胸に秘めて代々木に乗り込むことも考えなければなちない。
かつて共産党の大演説会の演壇に不破委員長(当時)と並んで立ち、市民派・革新無所属の立場から、共産党の都議会議員選挙の勝利を望む演説をやって市民派と共産党との共 闘を演出したことのあるわたしを、中央委員会が門前払いで追い返すだろうか。
社民党は鹿児島市議会に六議席あるという。
平山たかし議員から人権侵害の被害を受けている小川氏を「護憲」の立場で擁護し、「誤憲」の平山氏をたしなめてくれるだろう。
人脈豊富なわたしには、友人の一人に今や知名度抜群の民主党代表の菅直人氏がいるが、彼の無名時代からの旧知の仲である。
その菅直人氏は社民連のころから、「地方議員に当選した議員は最初にふくおひろしさんの著作を読みなさい」と勧めていた。
それは市民感覚が共通していたからである。
民主党はリベラル派と保守派が混在しているが、鹿児島の同党議員がリベラルなら、今 回の人権侵害事件では平山氏批判の立場に立たなければならない、と思うのだが?
議長・議運委員長あての小川みさ子議員の申し入れの要旨
Eメールは私信であり、たとえ議会の内容 についての記述があったとしても、私信や私文書を議会運営委員会の議題とすること事態、議運の設置の目的を逸脱しています。
議員が発したものでも、どなたのEメール (私信)にしても公式の場でその内容に融れ て審査・調査することは「検閲」に当たり、 「通信の秘密」を公式に暴露することになります。
つまり、憲法第二十一条2項の「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」と定めた規定に抵触する行為と思われますので、講運の協議事項からの削除を求めますむ[以下省略]
※小川みさ子議員に激励の声を!
http://www3.ocn.ne.jp/~inochi/
Eメールアドレスogawa-m@oregano.ocn.ne.jp
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