政令市議の在り方
http://www.saitama-np.co.jp/news11/26/05l.htm
市議の在り方 四日市大・岩崎教授に聞く
2002年11月26日(火)
現行制度でも可能
さいたま市議会の臨時議会は区名を含めた条例案を二十日未明、賛成多数で可決、市民の関心が高 まった区名問題に一応の区切りをつけた。九月三十日の区名選定委員会以降、一連の動きを取材する なかで、「政令指定都市での市議会議員の在り方」を考えさせられた。記者の疑問を都市問題専門家 の四日市大学総合政策学部教授の岩崎恭典教授にぶつけてみた。
記者の疑問
区名問題では市議会議員百人にかなり温度差が見られた。見沼区、中央区など住民の関心が高まっ た区では地元議員が住民の声を反映させようと、署名集めや修正案提出に動いた。一方でそれ以外の 区の市議には「ひとごと」と距離を置く感覚もあった。
住民の関心が高まった区の市議の行動は、来春の市議選を意識したものということは十分承知の上 でだが、一つの区にかかわる住民の声を議会全体に反映させるシステムが政令市下で十分機能してい くのか、疑問を持った。
特に、選挙区が従来の全市から区ごとに変わる政令市では、市議の関心は「区」に集中し、全市的 な発想が薄くなりがちともいわれる。大都市の制度論や、選挙制度ともかかわる問題だ。
岩崎教授の話
全国の政令市を見ていて、そういった問題意識は持っている。大都市制度の将来構想検討委員会に 参加しているが、大都市の制度論とも絡む課題で各委員も今のところ明確な答えは持っていないよう だ。
東京都のような特別区であれば、膨大な経費がかかるが、公選議会があり、そこでの意思決定が地 元意思の表明になる。しかし、指定都市の行政区は、仕事を処理するための組織にとどまっているた め、権限も限られているし、法人格もない。
従って区単位で議会類似の参加の仕組みを作ることはできても、区の全体意思を代表するのは、選 出の市会議員ということになる。そのため、市議は区の利益のために動きがちで、市全体について は、おろそかになりがちだ。 さらにさまざまな住民組織も区単位に再編成されるので、地縁選挙 が強くなり、大阪市のように小さな行政区では、世襲議員が多くなる傾向も出てくる。
行政区のあり方を自治区とするかどうかの議論は、自治法や公選法の改正といった大きな制度改革 の課題でもあり、公選法の改正問題も絡まざるをえず、難しい問題だ。
とは言え、今回のような異議申し立ての運動を市全体の課題にできるような仕組みを作ることは必 要だと思う。行政区単位での意思表明機関を、市議を交えて作るかどうか、その意思を市議だけでは なく、直接市議会、執行機関に伝え、返事が確実に返ってくる仕組みをつくる、この程度であれば、 現行制度上も可能ではないかと思う。
なお、市議選は中選挙区制だから、住民の政治参加は、その気さえあれば可能であることはもっと 知られていい。
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