8月25日付の「発言欄」にかかりつけの薬局に苦言が寄せられ、東京都薬剤師会から「適切に対処するよう」通達されました。
投稿者は、かかりつけの薬局のメリットとして、的確に捉えられているようです。
薬の説明だけでなく、薬歴(どの薬をいつからのんでいるのかなどが経時的に分かる)の作成および管理、薬ののみ合わせや重複した処方箋の確認などを行ってくれる。
この方のお子さんが風邪を引かれ、小児科の処方箋をかかりつけの薬局に持っていったところ、門前の薬局に行くように薦められたそうです。
薬を扱っていないのであれば、薬剤師がその薬局まで行き、薬を調達すべきなのではないか。
薬剤師の医療人としての意識改革や地域の薬局間の風通しを良くする必要がありそうだ。
薬剤師会からは、次のような記事掲載を東京新聞に申し入れたそうです。
御指摘はもっともであり、すみやかに薬を調達して、あとで御自宅にお届けすべきであります。
薬局からの言い訳になりますが、風邪薬であり一刻でも早くのまれたほうがいいと考えたのでしょう。
また子供の薬で、シロップだったり粉の薬であったりで、先方が少量を分けてくれない場合も想定されます。
この場合、計量混合加算と言う技術料が発生するときが多いですが、仲間内に薬を分けるときには普通薬価で分けますから、先方の「手間賃」をこちらがただで貰ってしまう事になり、気が引けたと言うことも考えられます。
浅草薬剤師会では、会員各店が在庫しているお薬の一覧を15年位前から作成しており、薬の融通をしてきました。
取りに行けない薬局のために、問屋さんがサービスで運んでもくれます。
一万種類以上もある薬をすべて揃えて置くことは出来ませんが、多くの薬局はこのような努力を続けています。
そして、「お時間をいただくか、お急ぎなら別の薬局に行かれるか」の選択をしていただくようにしています。
今回は、薬を分けてもらうことを遠慮したのか、先方が分けてくれないケースも想定され、その薬局だけを責められないと思いました。
しかし、門前薬局に行くことに対する説明不足や、お客様に選択していただくことへの配慮不足は反省すべきだと思います。
そして、各店の在庫一覧の作成・更新や、技術料の配分などは、薬剤師会が努力すべき事項だと思います。
院外処方箋への理解が深まると同時に、薬局や薬剤師会の役割を強く自覚しなければ、医薬分業に応えていけないと感じた次第でした。
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