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「産業革命」以後の世界

日経新聞、「経済教室」で昨日から始まった「21世紀、アジアと文明」が面白い。
昨日は、イマニュエル ウォーラーステイン、エール大学、シニア・リサーチ・スカラーの「世界の多極化が現実に、システム移行の時期、東アジアに重要な役割。」だったが、今日は杉原 薫、大阪大学教授の「西洋と融合、分配の奇跡に、世界の水準高める、産業革命は「生産の奇跡」。」だった。

概要と感想とをごちゃ混ぜにした。

18世紀にイギリスで起こった「産業革命」自体は、化石エネルギーから変換された動力を利用した工業化、という意味で画期的であったが、19世紀になって北米の土地と資源を得て一気に開花したものと言える。
それまで、「ゆるやかな帝国の中に労働集約的な技術や労働吸収的な制度を作りだし、穀物備蓄制度などによって社会の崩壊を防ぐ工夫をこらした東アジア社会だったらしいのである。」

「ポメランツは北米の土地と資源が一挙に西欧経済圏に取り込まれ、それまで欧州の資源制約を前提にしていた発展経路から「逸脱した」と強調する。
その結果、北米と西欧を結ぶ「大西洋経済圏」で資本集約的、資源集約的な技術や制度が発展し、実質賃金が上昇した。」

産業革命は欧州の社会的環境、思想・制度の枠内でしか成し得なかった革命だろうが、その技術だけを模倣するのに時間はかからない。
日本は植民地化を免れ、欧米に追随することが出来たが、植民地下の東アジアは西欧との賃金格差などを甘受させられていた。
(これが「大東亜共栄圏」の名のもと、「神国日本」の名誉にかけて東アジアに侵略、開放する意図が、欧州との対立となる。
さらに危機感を抱いて経済封鎖に踏み切った米国にも、対抗意識を燃やして太平洋戦争に突入した。
このように考えると、何か妙に納得できるものがある。)

戦後60年の時を経て、東アジアは欧米に比肩する地域になる素地はあるはずだ。
(しかし、モノ的に成熟した日本や欧米には「人的資本投資を続けてまじめに働けば、成長の果実にあずかれると多くの国民が信じる社会が広がっていった。」ことにとらわれていては、次の時代に生き残れないと思う。)

「労働集約的技術と労働吸収的な制度に基づく東アジア型発展経路は、十九世紀以降の「西洋の衝撃」にもかかわらず生き残り、戦後の「東アジアの奇跡」を準備した。」
「資本集約的、資源集約的な技術や制度」に基づく欧米とは、衝突するわけだが、
「グローバリゼーションは、決して一方的普及主義によっては進まない。
一方的な普及はむしろ「文明の衝突」を招きがちである。
かといって、孤立によって経済社会を豊かにすることもできない。
他の文明と接触、融合しつつ、みずからの発展経路を開拓する力のある社会だけが、二十一世紀におけるグローバリゼーションの担い手となるであろう。」

(欧米の価値観の押し付けはやめてくれ。
これからのグローバリズムのカギを握っているのは「東アジア」である。
宗教的観点以外から解説された事になる。
また、アメリカが過去連綿と続いてきた発展経路から、産業革命によって逸脱した発展経路で成長した、とする論調は面白かった。)

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» サイバーレボリューション 2003.6.X 初出 [仙台インターネットマガジン ★仙台のフリーネット雑誌]
というわけでIT革命というのは 今後社会のあり方をどう変えていって しまうのだろ... [続きを読む]

受信: 2005.06.10 23:00

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